本邦・消滅大仏へ参拝!
上野大仏
毎日多くの人がやってくる上野公園ですが、実はそこに大仏の顔が鎮座ましましています。初めて見た人は驚愕するこの大仏の顔、いったい何??
実はその昔、この場所には大仏様がいたのですよ。
在りし日の上野公園の大仏
《大仏の大いなるは上野の大仏(釈迦如来の坐像)にして、万治年中釈浄雲の再建にかかる二丈余の銅像なり》
と『東京風俗志』(明治32年)に書かれた上野大仏です。
その大仏は、残念ながら関東大震災で首がもげ、取り壊されてしまいました。
首がもげた上野大仏
このことを宮武外骨は『震災画報』で、
《一切の衆生を済度するという仏様も、大自然の威力には敵しないと見えて、(中略)東京上野の大仏は首が落ちて座前の土上に横たわり、見るも無残の体である。人間の造った神様が、人間を助けるどころか、御自体までが焼け失せたのと同様、仏様に自己を防衛するだけの力もないのは、ヤハリ人間の造ったものに人間以上の力がありうるはずはないからである》
と書き記しています。仏様も地震には勝てないわけですな。
アフガニスタン・バーミヤンの大仏も復活させるなんて話がありますが、破壊もまた歴史の流れというわけです。
そんなわけで、今回は、そのほかの今はなき日本の大仏様を行脚して回りましょう!
(左)京都大仏(方広寺)=昭和48年火災で焼失。ちなみに京都・東福寺にもかつては大仏がありました。
(中)神戸大仏(能福寺)=戦前の金属供出で破壊。平成3年再建。写真は昭和6年。
(右)別府大仏 =昭和3年3月完成。平成元年、老朽化で取り壊し
制作:2002年2月9日
<おまけ>
現存する奈良東大寺の大仏を見にいきましょう。
ついでに、この大仏を上から撮影した珍しい写真を公開しておきます。
出典は『朝日新聞報道写真傑作集1951』
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