日本一の階段
3333段にトライ!

釈迦院3333階段
どこまで続く石段よ



 その昔、「日本で最も長い階段」は山形県の出羽三山、羽黒山神社の参道杉並木でした。登山口から山頂までの1700m、全2446段の階段です。
 その後、日本中がバブルで騒がしくなると、熊本に3333段という階段ができました。1988年3月に完成した釈迦院(金海山大恩教寺)の大石段です。全長1900m。まぁ、この釈迦院というのは別にバブル宗教施設というわけではなく、今から1200年以上前の799年に開山した名門中の名門なんですけどね。
 それはともかく、今回、暇をもてあましたオレは、この3333段にチャレンジしてきました!
 

 本当のことを言うと、この階段は学生時代に1度登っています。なにせ、有志を集めて日本一のモグラ駅・上越線の土合駅(486段)で、「グーチーパー(階段ジャンケン)」をしたオレですからね、完成直後にとっくに経験済み。しかしそれももう10数年前のことなので、今回、再チェレンジというわけです。
 
 さて、釈迦院はこれがまた遠いんだ。熊本駅から1日4便しかないバスで1時間以上、奥深い山の中に突然階段の入口が現れます。あとはテクテク歩くのみ。500段で玉のような汗が噴き出し、1000段でTシャツは水雑巾になってしまいました。
 ちなみに1000段には「栴檀(せんだん)」の木が植えられていて、これはおつだね、なんて独り言でも言わないと精神が持ちません。
 木陰が多いので直射日光は浴びなくてすむのですが、でも死にそう。昔は3段飛びで走ってあがれたのに、もうダメだ。自分がジジイになったのを痛感しますな。
 
釈迦院3333階段
ここまで来れば楽勝

 
 それにしても、夏休みの日曜日だというのに、人があんまりいないのはどうしてだろう。なんかまるで人に会わないんですけど。以前はもっといたような気もしますが? 
 そもそも、昔は1000段とか2000段とかに「がんばれ!」みたいな登頂者のメッセージがたくさんあったんですが、今はまるでなし。ほんと、こんな石仏と寄進塔がぽちぽちあるだけ。なんか寂しいぞな、もし。


 釈迦院3333階段
これはこれでいいんだけど……


 ともあれ、ゴールしたのはスタートしてちょうど50分後。たしか昔はダッシュで30分ほどで登った気がするんだけど……。ちなみにオレは腐っても元山岳部員なので、普通の人だと絶対もっとかかります。

 釈迦院3333階段
これがゴール地点


 で、ほっと一息ついたのはいいんだけれど、なんと釈迦院まではここから1100m先だそうで、これはまた非常に酷な位置取りですな。まぁ、ここまで来たからには歩くのみ。で、歩いた先にあるのはこんな感じのひなびた寺です。ここは「ぽっくり寺」とか言われるんですが、ほんとぽっくり逝きそう。
 ちなみにどうでもいいことだけど、この日は山頂付近で雷がごろごろ鳴っていて、こんな山奥で夕立にあったらずぶ濡れでショック死しそうとかずっと思ってました。着替えもないし。

釈迦院3333階段 → 釈迦院3333階段
あまりの遠さに頭が真っ白になってしまいました。
(写真を失敗したわけではありませぬ)

 
 で、帰りのバスの都合上、ここから走って戻って階段を駆け下りるわけですが、さすがに足ががくがく。足が大笑いしてました。しかも下山した時は最終バスまであと2分とかいう感じで、焦る焦る。
 みんな時間を見て行かないと、階段で野宿する羽目になるので要注意!
 

制作:2004年8月11日


<おまけ>
 余談ながら、現在、日本で最も長い階段は、長崎県有明町の舞岳山頂までの約3km、全8888段の自然遊歩道です。平成8年8月8日午前8時8分に開通させたとか。オレは未体験ですが、うーむ、このせいで3333段の人気が落ちたんだろうか??

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