三重県・大観音寺
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珍スポット探訪 大観音寺
〜あるいは白澤の野望〜
大観音寺に隣接するルーブル彫刻美術館
なんと、自由の女神のとなりに、巨大「ミロのビーナス」と「サモトラケのニケ」が!
寒いから、温泉に行こうと思います。
どこに行こうかと思案して、『枕草子』に「湯はななくりの湯、有馬の湯、玉造の湯」(117段)とあるのを思い出しました。清少納言もお気に入りの「ななくり」とは、現在の三重県・榊原温泉というのが通説。
そこで行ってみました榊原温泉。伊勢神宮から50kmほど離れているとはいえ、気分はお伊勢参り。江戸時代、お伊勢参りが盛んだったのはご承知でしょうが、当時のベストセラー『旅行用心集』(1810年)には、
「伊勢神宮に行こうと思って、一緒に行く人を決めたり、いつ出発しようかと予定を組んだり、あちこちから餞別を貰ったりするのは、心うきうき」
みたいな文章があって、でも俺は一緒に行く人もいないので、けっこう寂しい気分でいっぱいです。
で、この本には、お守りが載っていて、それがこれ。
江戸時代の「旅のお守り」
このお守りさえ持っていれば、「山海の災難病患をまぬがれ開運昇進の祥瑞ある」そうです。これ知ってる? 白澤(白沢・はくたく)という中国の妖怪です。
妖怪博士の水木しげる先生によれば、
《この妖怪は人語を話し、万物に通暁しているというインテリの妖怪である。"白澤(ハクタク)"は、あるとき、中国全土を巡り歩いていた黄帝によって捕えられ、そのときに、天下の妖怪や鬼神のことをつぶさに語ったという。帝はそれを家来に命じて、いちいち図に描かせ、国中の人々に示した。それで中国の妖怪は一度に国中に広まったといわれている》(ホームページ「水木しげるの世界妖怪大全」より)
これが世界初の?妖怪図鑑ですが、ちなみに白澤は11520種類の妖怪について語ったといわれています。
で、後世、この白澤は「徳がある天子の前に姿を現す」とされ、つまり、権力者は自分がいかにすばらしいかを示すため、白澤の絵を描かせたりしました。その最たる例が、日光東照宮ですな。拝殿の「将軍着座の間」には、こんな白澤が鎮座ましましております。
日光東照宮・拝殿の東(右)部分にある将軍着座の間。
というわけで、白澤のご加護のもと、榊原温泉に行ってみたよ。
この温泉は近鉄の榊原温泉口駅からバスで行くわけですが、ちょっと時間があったので、うろついていたら、珍妙な看板を発見。なんと高さ33mという世界一の純金大観音がいるそうな! これこれ!
左下が俺で〜す。
恐るべし大観音寺。ちなみにこの観音様の手がこれ。サンダル(仏足下駄)がこれ。サンダルの高さは7m! みんなおっきすぎて、巨大すぎます。
なぜ猫のオーケストラが……?
でだ! なんと境内には白澤が鎮座していました! ただこれが言いたいがために日光まで遠回りしましたが、ありがたやありがたや、白澤。なぜかガン封じの神様となっていますが、こんなところで再会するとは!
たくさんの眼で物事を見通すのですよ
というわけで、俺は幸せ気分いっぱいで東京に戻ったのでした。感激のあまり、湯に入るのを忘れてしまいましたが、最後はカエルさんたちがオーケストラで送ってくれて「無事かえる」と。
お後がよろしいようで。
立入禁止です
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観音様の正体
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耕三寺で地獄を見る
制作:2004年2月3日
<おまけ>
情報によればカラオケ観音とかがいるはずなんだけど、俺は気づきませんでした。おっかしーなー。
ちなみに、この寺の設計監理は世界的な建築家・黒川紀章先生です。こんな世界的な名所なので、春になって頭がウララの人には超オススメです!
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