詩人・岩野泡鳴と凱旋門



新橋の凱旋門
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 小説家・詩人の岩野泡鳴は、日露戦争で『凱旋門』という歌を作詞しています。その歌詞を、雑誌『少年』28号(時事新報社、明治39年1月号)より全文掲載しておきます。



高くそびゆる凱旋門は


勝ちて帰りし人通る


うちの門松ならべる門は


日ごろ親しき友(とも)這入(はい)る



いくさ人らは御国(みくに)のかため


友はわが家のよろこびぞ


来たれ、もろ共(とも)かるたの遊び


これも平和の戦ひぞ



年(とし)の凱旋――きょうは元日の


祝ひしてこそ、楽しめよ


年(とし)にいち度の凱旋門は、


日ごろ励(はげ)める児(こ)を迎ふ



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