観光ガイド「JAPAN」
〜日本人は日本をどう見たか?〜
 1938年(昭和13年)?に、国鉄や日本交通公社がアメリカ向けに発行したグラフ冊子「JAPAN」。文字通り、観光客を呼び込むために日本を紹介した写真集です。当然、日本の素晴らしい点を強調しているわけで、言い換えれば、日本人自身が日本のよさを再発見しているわけです。

 中を見れば一目瞭然ですが、日本=「芸者ガール」「フジヤマ」という根強いイメージは、やっぱり日本人自身がそう思っていたというのがよ〜く分かります。


表紙(表一、表四)

グラフ冊子「JAPAN」 

表二  五重塔をバックに序文(以下全訳)

 古くからの繁栄と最近の産業発展。列車の運行は正確で、船は宮殿のように豪華。着物を着た乙女と美しい祭り……。
 東洋と西洋、古きと新しき、古代と現代が日本ほど見事に融合した国はありません。実際、少なくとも一生に一度は行く価値のあるところです。そしてまた満州にも中国にも近いのです。
 次の休みにはぜひ日本で過ごして下さい!
 この冊子は、太平洋を渡るあなたの“食前酒”のようなものです。
 日本交通公社をはじめとするすべての旅行代理店は、いつでもあなたの役に立ちます。
 

1    日本のシンボルである桜
2〜3  あらゆる害悪から大日本を守ってくれる霊峰・富士山(Mt.Huzi)
4〜5  東京(もっとも神聖である皇居二重橋と、丸の内、国会議事堂)

グラフ冊子「JAPAN」


6    珠玉の建造物の一つである日光陽明門
7    新芽に包まれた大阪城
8〜9  京都平安神宮で春を満喫する舞妓さん、高松郊外の高台から望む瀬戸内海の島々
10〜11 産業

グラフ冊子「JAPAN」


12〜13 教育(幼稚園、小学校の音楽授業、男子中学生の体操、女子高の裁縫授業、東京帝国大学)
14〜15 祭り(雛祭り・御神輿・阿波踊りの写真と、端午の節句・七五三のイラスト)
16   歌舞伎の写真
17   能のイラスト
18〜19 日本観光イラスト地図(台湾、朝鮮、南樺太まで入っている点に注目)

グラフ冊子「JAPAN」


20   150年前の京都の女性(イラスト)
21    着物で町を歩く現在の女性(写真)
22〜23 お琴、茶の湯、生け花、書道
24〜25 海水浴、登山
26〜27 日本食(寿司=左、芸者とスキヤキ=右上、チャップリンも堪能した天ぷらを食べる外国人観光客)

グラフ冊子「JAPAN」

28〜29 ゴルフコースと東京競馬場
30〜31 剣道、相撲、柔道、水泳、スキー
32〜33 台湾(政庁=左上、台北剣潭の寺院?=左中、原住民=中央下)
     朝鮮(京城〈現ソウル〉昌徳宮?=中央上、金剛山=右上、洗濯風景=右下)

グラフ冊子「JAPAN」


34〜35 満州(満鉄アジア号、新京〈現長春〉、奉天〈現瀋陽〉の故宮?=左下、承徳のチベット式寺院・普陀寺=右下)

グラフ冊子「JAPAN」

36   飛行機、定期船、島々ほか
表三   数字で見る日本、日米貿易

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