本サイトは、皇室関係で使われる言葉を一覧にした用語集です。
出典はNHK(日本放送協会)の放送文化研究所が、1954年(昭和29年)12月に刊行した『皇室関係放送用語集』で、すでに著作権が消滅しているため、ここに復刻することにしました。
基本的に原文をそのままデジタル化していますが、読みやすさを優先し、また現代の状況に適合するよう、一部を改変しています。
改変の例をあげれば、当時は昭和天皇が存命だったことから、皇太子などの人名が変わっている点、あるいは御料牧場が現在の成田空港の場所にあった点などで、こうした部分は、可能な限り修正しています。
オリジナル本の構成は、日常の報道でよく使われる言葉を本文に、その他のものを付録として収めてありますが、本サイトでは似たようなジャンルの言葉はまとめて再構成しています。
見出しになっている●のつけられた用語が推薦される言葉で、具体的には、
「天皇陛下が出かける場合、『お出まし』『……へおいでになる』は使っていいが、『お成り』は使わない」
「天皇陛下の『お言葉』は使っていいが、『勅語』『勅宣』は使わない」
「『御璽(ぎょじ)』と『国璽(こくじ)』の意味の違い」
などがわかります。
重要なのは、放送用のため、かなり詳しくルビが振ってある点です。一般の読み方とは違うものも多く、本サイトでも、ほぼすべて復刻してあります。
以下に、オリジナル本を参考に、主な凡例を書いておきます。
(1)天皇、皇族に対する敬語は、できるだけ普通の敬語の範囲内で親しみのある最上級の表現を用い、意味の重複した形は避ける。
「——れる(——られる)」「お——になる」「御(ご)——になる」「——申し上げる」の形を用い、「——せられる」「——遊ばされる」「——あらせられる」の形は避ける。
(2)儀式、祭典、職名、建造物、場所等に関する伝統的な用語のほかは、つとめて漢語的表現を避け、文語調はなるべくとらない。
(3)用語のうち〔〕で囲んだ個所は、場合により略してもよい。
(4)このサイトにあげたものは原則的なものであり、例示である。従って具体的な場合に応じて適切な表現をすることが望ましい。
(5)発音のひらがなのうち、アンダーラインのついた が ぎ ぐ げ ご はカ行鼻濁音を示している。
(6)敬称は付けていない箇所も多い
なお、NHKは、昭和10年4月、宮内省と打合せの上、「放送用語並発音改善調査委員会」の審議を経て、『宮廷敬語』集を発行しています。
その後、時代の変遷とともに改訂の必要が出てきたため、宮内庁の所見を聞き、「放送用語調査委員会」の審議を経て、本サイトの元本である『皇室関係放送用語集』が刊行されました。
本サイトで復刻した部分は、以下の通りです。
<本文>
●天皇、皇族の敬称その他に関する用語
●お出まし等に関する用語
●下賜、お使等に関する用語
●御交際等に関する用語
●御意思、御行為等に関する用語
●御身上、御服装等に関する用語
●行事、祭典に関する用語
●慶弔等に関する用語
●皇室に対する用語
<付録>
●即位等に関する用語
●御服装、御紋章、お旗等に関する用語
●行事に関する用語
●祭典に関する用語
●慶弔、陵墓等に関する用語
●皇室の経済に関する用語
●皇居内建造物その他の名称
●御所、離宮、御用邸その他諸施設の名称
●宮内庁の組織、職制
最後に、皇室に関する重要関係法令をあげておきます。
●日本国憲法
●皇室典範(昭和22年法律第3号)
●皇族の身分を離れた者及び皇族となった者の戸籍に関する法律(昭和22年法律第111号)
●皇室経済法(昭和22年法律第4号)
●皇室経済法施行法(昭和22年法律第113号)
●宮内庁法(昭和22年法律第70号)
●皇統譜令(昭和22年政令第1号)
●皇室会議議員及び予備議員互選規則(昭和22年政令第164号)
●宮内庁法施行令(昭和22年政令第5号)
●宮内庁組織令(昭和27年政令第377号)
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