オゾン
新規開業のハイカラ実業家の事務所へ、前垂党(昔ながら)の商人が来て、
「どうも西洋式は贅沢なものですな。冷蔵器、煽風器、卓上電話、なんでもありますな」
ハイカラ君、大得意で、
「これでなくては1人で5人前も働くことはできませんよ」
前垂君「こりゃ何です? 変な格好でごうごう音のするものは?」
ハイカラ君「これは空気を清浄にするオゾン発生器で、すなわちオゾンを作る器械です」
前垂君「へぇ、オオゾン(大損)をつくる器械とは驚きましたなぁ」
(大正5年8月)
(注)オゾン発生器「オゾナイザー」は1857年にドイツで考案された。健康器具としてブームになった。