一撃微塵
明治38年5月27日、わが東郷艦隊は、日本海にロシアのボールチック(バルチック)艦隊を一撃微塵にして、世界を震撼させた。
同盟国のイギリスは喜び、アメリカは後世恐るべしと舌を巻き、ドイツは東洋経綸(けいりん)の意外な邪魔者ができたと憂い、フランスは救命袋も間に合わぬとあっけにとられた。
東洋諸国は同種民族の大勝利に狂喜雀躍した。
(注)沈むバルチック艦隊はロジェストヴェンスキー中将、対岸にいるのは右からイギリス(バルフォア首相)、支那、アメリカ(ルーズべルト大統領)、アジアの小国、ドイツ(ヴィルヘルム2世)、フランス、左端で喜んでいるのがイタリアとトルコ