つりがね
rakuten36

出札係「つり銭のいらぬようにと書いてあるじゃないか?」
客「そんなもの読めねぇだ。5円ではつりを出さねぇっちゅう法があるもんかい」
掲示の読めない奴があるから、これならよかろう。小銭払底「つりがねぇ」さ。

(大正8年6月)

(注)大正7〜8年の好景気時代に兌換券を大量に発行した結果、小銭が払底して、日常生活に思わぬ悲喜劇が起きた。貨幣不足を補うため、小紙幣も発行されていたが、これもボロボロになるまで使い続けられた。
 また、この当時は文盲も多く、丁野抜作も文字が読めない設定になっている。