秘密
金輪梨郎君「鍛冶屋さん、さぁこっちへお入り。実は発動機の新案ができたので……」
「その雛形を君にごくごく秘密でこしらえてもらいたいのだが、人に覗かれるといかないから、暑いけれどもこの障子を閉めておいて……」
「さてこれから私の設計図をお目にかけよう。いやいや、まだいかん。読者が見ている」
「幾十万の読者にこの秘密を見られては、障子を閉めたとて間に合わない」
「うまいことがある。こっちへおいで。これなら読者にも見られないから」
「どうだうまいだろう」
「なるほど妙案ですなぁ」
紙の裏で「なんと世界無類新案の発動機だろう。これなら確かに一等賞だ。あははは。読者もさぞ見たかろう」