2005年のアンドロイド
日中ロボット戦争勃発?

ロボット 
超かわいいコンパニオンのねーちゃんかと思ったら、ロボットだった!


 東京ビッグサイトで「2005国際ロボット展」が開催されたので見にいってきました。
 本来なら単なるイベントをネタにすることはないのだけど、やはり日本が世界に誇るロボット様ご一行は紹介しないわけにはいかないでしょう。

 展示のメインは産業用ロボットでしたが、愛知万博で活躍した多くのロボットたちも頑張っていました。

ロボット
写真撮影用のポーズ

 一番有名なのがこれ。サンリオの子会社ココロが制作した案内嬢ロボット「アクトロイド」です。日・中・韓・英の4カ国語を理解し、人間そっくりに会話できるのが売り。会話に困ると「その話はおいといて」とゴマカすところがいい感じ。


 同じくココロが開発したのがセクシーな司会ロボット(冒頭の写真)。遠目で見ると、ホント普通の女の子と変わりませんな。
 ちなみに同社はアクトロイドのレンタル事業を開始していますが、身長170センチ、体重約100キロの彼女たちのレンタル料金は5日間で40万円。延長料金は1日8万円。これに設置費10万円+運送費にプログラムの変更料30〜50万円かかるそうです。

 人を模したロボットとしては、東京理科大のアンドロイド・SAYAちゃんも魅力的。すでに大学で受付嬢をやってるそうですが、「かわいい」と言ってあげるとホントにニッコリするのでビックリです。

SAYAちゃん
SAYAちゃん


 このほか会場にはダンスロボ、多重音声認識ロボ、地雷探知ロボなどさまざまなロボットがいて、結構おもしろかったのでした。
 ちなみに地雷探知ロボットは富士重工が6億円で開発したもので、ロボット展終了後、本当にクロアチアで地雷の除去作業を行っているそうです。

ダンスロボ wakamaru(ワカマル) 地雷探知ロボット
左からダンスロボ、wakamaru(ワカマル)、地雷探知ロボット
会場では漫才やってたワカマルくんは150万円で販売中



 さて、今回のテーマは日本のロボット技術のすごさを語るが目的ではないのだな。
 というのも、ロボット技術は日本がダントツで独走してると思いきや、実は、お隣の中国も頑張っているのです。

 2005年9月、北京で大規模な科学技術展が開催されました。ここでヒューマノイド型ロボットが太極拳を演じて、かなりの注目を集めたのです。
 このロボットは北京理工大学が中心となって開発した「匯童」で、身長160センチ、体重63キロ。『人民日報』では、

《「匯童」は視覚・音声会話機能・力覚・平衡感覚などを持つ。「匯童」の開発成功は、中国が日本に続き、メカニズム・制御・センサー・電源の高度集約技術を掌握した2番目の国になったことを意味する》(「人民網日本語版」2005年9月19日 )

 と冷静に書いてありますが、現地の新聞は「中国は世界で初めて人の動きを模倣するロボット開発に成功」と大絶賛したとか。
 ほかにも復旦大学が、記憶を形成して「成長」するロボット「復旦1号」の開発に成功したそうで、こちらはまるで「生きている赤ちゃんのようだ」と報道されました。
 また哈爾濱ロボット工学技術センターは、表情があって歌も歌えるロボット「百智星」を発表しています。

 中国が初めて人型ロボットを開発したのは2000年のこと。長沙市の国防科学技術大学が開発した二足歩行ロボット「先行者」で、身長1.4メートル、重量20キロ。「小学生の夏休み工作のような情けない姿形」(←産経新聞評)なのに中国が自画自賛&大絶賛するものだから、当時ネットで思いっきりバカにされたものです。
 ところがこれは見かけによらず高性能で、走ったり不意の障害物をよけたりできたそうな。歩くスピードも1秒に2歩とかなりのスピードでした。
 ホンダが二足歩行ロボットASIMOを発表したのも同じ2000年。結局、バカにしていた中国にわずか5年で完全に肩を並べられてしまったわけで、このままではちょっとまずいな、と思うのでした。


制作:2005年12月6日

<おまけ>
ロボットパックマン

 今回のロボット展で一番おもしろかったのは、ナムコが出品したロボットパックマンでした。
 これはパックマン生誕25周年を記念したもので、約4メートル四方の迷路の中をパックマンが動き回って、すべてのクッキーを食べればクリアというもの。パックマンには迷路の大きさしかデータが与えられておらず、独自で迷路を解析しつつ、モンスターをよけながら動く仕組み。最終デモンストレーションでは見事クリアしてましたが、その技術力の高さに驚きました。

 ロボットに迷路を脱出させる競技大会「マイクロマウス」も日本では26年目を迎え、このあたりの技術蓄積は相当なものがあるのですな。


●ロボット開発史はこちら

広告
© 探検コム メール