不法投棄の現場を行く
産業廃棄物の島「豊島」へ
豊島
瀬戸内海に浮かぶ香川県豊島(てしま)。この風光明媚な島にゴミ処理場建設の許可が下りたのは1978年のことでした。1983年には産業廃棄物の不法投棄が始まり、兵庫県警が摘発する1990年までに、なんと50万トンもの産廃が捨てられたと言います。
産廃からは環境基準値をはるかに超える有害物質(ダイオキシン、鉛、水銀、PCB、ヒ素……)が検出されました。
当然、地元では大きな反対運動がありましたが、香川県の対応は遅く、香川県警も動かずじまいでした。
長年にわたって住民が県と話し合いを続けた結果、2000年6月6日、ついに一応の決着が付きました。2016年度末までに産廃を隣の直島で処分することや解決金のほか、合意案に明確な謝罪文が書き込まれたのでした。
《廃棄物の認定を誤り、適切な指導監督を怠った結果、本件処分地について土壌汚染、水質汚濁など深刻な事態を招来し、豊島住民に長期にわたり不安と苦痛を与えたことを認め、心から謝罪の意を表する》
というわけで、合意から2年、産廃の現場を見に行ってみた!
豊島に行くには、小豆島の土庄経由か岡山の宇野経由になります。高松から直行では行けないため、不便きわまりないっす。
で、豊島の家浦港から歩いて1時間。強烈な日差しと車の砂塵にへろへろになって到着したのがここ。階段の向こうが産廃山。
産廃には既にシートがかぶさっていましたが、この下15メートルほどすべてがゴミ。なんだか浮いたような変な感触です。臭いはそれほどでもなかったですが、毒空気を吸ってるせいか、気分悪し。
で、これがゴミの正体。粉砕した物なので黒くてよく分かりませんが……それにしても、何、この白濁液は? 赤茶の汚れは?
毒に当てられ、僕はそそくさと港に戻ったのでした。
下界はひなびた家並みがとってもいい感じで、海水浴場もすぐそば。産廃さえなければ、とってもいい島なんだけどね〜。
制作:2002年8月26日
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