郵便のスタート
初期の郵便配達と郵便ポスト
小泉首相がついに郵政3事業を民営化しました。郵政3事業とは郵便、郵便貯金、簡易保険の3つ。郵便は赤字ですが、郵貯は250兆、簡保は120兆円という莫大な資金量を誇っています。この大半が財政投融資という形で、訳わかんない特殊法人に回されていたわけで、財政の健全化のためには、民営化というのは非常に有効であるのは確かです。
ただ、民営化した場合、大量のリストラはもちろん、地方郵便の廃止などさまざまな弊害が考えられ、簡単にいかないのもまた確か。なかなか難しい問題なのですな。
まぁ、とりあえず、郵政の歴史をまとめときます。郵政3事業って、こんなに早くからあったんだって驚くと思うよ。
●明治4年(1871)
前島密が東京〜京都〜大阪間に郵便開始(「郵便」「切手」といった言葉も前島が発明)。東京は日本橋四日市、京都は姉小路車屋町西へ入、大阪は中の島淀屋橋角に駅逓司郵便役所を設置。
これが東京の郵便役所(現在の日本橋郵便局)
なお、日本初の切手は48文、100文、200文、500文の4種類でした。
参考までに、郵便開始時の料金・時間表を抜粋しておきます。
東京から
川崎、1時間3分、100文
箱根、7時間、300文
静岡、12時間5分、500文
浜松、18時間1分、700文
熱田、25時間、1貫文
西京(京都)、36時間、1貫400文
大坂、39時間、1貫500文
●明治5年(1872) 料金を文から銭に改める。海外郵便の開始。北海道の一部を除き全国で郵便開始
●明治6年(1873)
郵便の独占、全国均一料金制を布告、郵便ハガキ発行
●明治8年(1875) 郵便為替、
郵便貯金開始
当時の郵便貯金の宣伝文を書いておきましょう。
《下等一般の民人、朝にあって夕をはからず、得ればすなわちこれを費し、はなはだしきは節倹貯積を以て恥となすの風あるに至れり。故にひとたび病いにかかり、或は老いて親族なければ妻子を餒(うや)し、その身を凍(こごや)し、みずから窮阨(きゅうやく)の極に陥り、ついに他人の累をなす。……よって今般小民のため貯金預局を設けられ、この人民をしてよく節倹の風を興し、余金あらばこれを貯蓄して……》(1875年4月5日「東京日日新聞」)
●明治10年(1877) 万国郵便連合条約加盟
●明治18年(1885) 往復ハガキの発行、逓信省設立
●明治20年(1887) 〒マーク(逓信の頭文字「テ」を図案化したもの)制定
●明治25年(1892) 小包郵便開始
●明治27年(1894) 初の記念切手(明治天皇大婚25年祝典記念)。軍事郵便制度施行
●明治39年(1906) 郵便振替開始、年賀郵便開始
●明治44年(1911) 速達開始
●大正05年(1916)
簡易保険開始
●大正15年(1926) 郵便年金開始
そんなわけで、日本初の郵便ポストを明治村に行ってみてきたよ。
明治4年、東京、京都、大阪に設置されたもの。右は東海道の各宿場町に置かれたもの
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