目指せ竹島
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日本人は竹島に行けるのか、挑戦してみた
独島まで87.4km(晴天時には島影が見える)
韓国が不法占拠している島根県の竹島は、現地では「独島」と呼ばれています。韓国では『独島はわが領土』という歌を幼稚園から歌っており、韓国人にとっていつかは行ってみたい場所です。
実は、独島観光が一般に開放されたのは意外に最近で、2005年のことです。この年4万人だった観光客は年々増えつづけ、2013年4月、ついに100万人を突破しました。
韓国人にとって憧れの地・独島ですが、はたして日本人も行けるんでしょうか?
ネットで調べてみても、渡航情報はほとんどなし。もちろん、旅行記もゼロ。これは、日本の外務省が「韓国側から竹島へ渡航すると韓国側の管轄権を認めることになる」として、渡航の自粛を求めているからで、上陸しても、基本、大々的に書くことは難しいんですね。
というわけで、実際のところはどうなのか、2013年7月上旬に現地に行って、試してきたよ。
まず、独島に行くには韓国最東端の町・浦項からフェリーで鬱陵島に渡らなければなりません。鬱陵島には空港がないので、ルートはフェリーのみ。
浦項の鬱陵島行きフェリーターミナル
月曜日、鬱陵島行き朝9時50分発のサンフラワー号に乗るため、フェリーターミナルに1時間前に到着。
すると、すでに多くの人がいて、もしかしてチケット取れないかも……とあせったものの、行列の末、なんとか確保に成功。購入にはパスポートが必要。料金は最安で片道6万3000ウォン(約5500円)。
そのまま朝食でも買おうとウロウロするも、近くにコンビニがないので再びターミナルに戻る。売店でまずそうなパンを買っていると、さっきコピーされたパスポートのコピーを持った警官につかまり「●●さん?」と日本語で聞かれる。「そうです」と答えると「ちょっとこっち来て」と韓国語で言われる。
そのまま事務所に連れていかれ、警官数人と船会社のスタッフあわせて7〜8人に囲まれ、尋問を受ける。尋問とはいえ、威圧的なものではなく、雰囲気は終始穏やか。恐怖感はない。そもそも先方はほとんど日本語がわからないので、スマホの翻訳ソフトを使ったりして、あんまり会話にならず。
聞かれた内容は「日本人ですか」「鬱陵島は初めてですか」「いつまでいますか」「鬱陵島から先へ行きますか」などなど。
途中で、日本語がそれなりにわかる通訳が来て、ようやくまともな会話がスタート。
「仕事は何ですか」「いまは7月なのに夏休みなんですか」「家族はいますか」……
通訳に「独島に行くのか」と聞かれたので「行けるなら行きたい」と答えると、特にダメだとは言われない。
そこで、どうやって行けばいいのか聞くと、「今は独島をめぐって日韓関係が悪いので、現地で聞いてくれ」とのこと。通訳の知り合いが独島行きのフェリー関係者らしく、「たまに日本人も行っているみたいですが、ここではわからない」と言われる。
おー、竹島に行ってる日本人もいるのか。だが、事前情報によると、みな韓国人にチケットを取ってもらったらしい。日本人だとわかると、チケットは売ってくれないという噂なのだ。しかし、実際に渡航してる日本人がいると聞いて、少し安心する。とはいえ、出航する港など、情報ゼロなのは変わりなし。
ちなみに、このとき日本ではすでに関東も梅雨明けになっていたが、韓国ではこれから梅雨入りで、しばらくは天気がいいらしい。
「天気が悪いと、フェリーはすぐ欠航しますよ」と通訳が言う。最後にその通訳と笑顔で写真を撮って、尋問は終了。
警官から日本語で「ありがとう」と言われ、そのまま裏から乗船する。
「独島は美しい韓国の島」……いやが上にも盛り上がるな
船内は完全指定席。エコノミーシートなので狭い。しかも窓から遠いので、外の様子がまったくわからない。甲板にも出られないので、なんだかつまらない船だ。
鬱陵島へはおよそ3時間半も船に乗るので、乗客はみんな勝手に床に寝て、カオス状態。
13時20分、鬱陵島のドドン港に到着。ターミナルが工事中で、帰りのチケットをどこで買えばいいのかまるでわからない。困ってウロウロしたものの、結局わからずじまい。どうやって帰ればいいんだろうとちょっと不安になる。
(その後、警官に聞いたら、チケット売り場までパトカーで連れて行ってくれた・笑)
入手した地図を見ると、この港から独島行きの船も出るはずなのだが、どこを探してもターミナルがない。もちろん誰に聞いてもわからない。
独島への行き方がまったく不明なので、民宿の客引きをしているおばちゃんについていき、そこでいろいろ聞いてみることにした。ちなみに民宿は1泊40000ウォン(3500円)。鬱陵島は物価が高いことで有名だが、民宿は安いな。
民宿のおばちゃんは英語も日本語もまったくできないが、独島に行きたいと言うと、明日7時20分に船が出るという。しかし、予約しないと行けるかどうかわからないと言うので、予約を頼んで
独島博物館
に行く。もしかしたら、けっこう簡単に行けるのかも。
がしかし、その日の夜、予約が取れなかったことが判明。理由は「波が高い」かららしいが、それ以外のことはまったく何言ってるかわからない。それでも、3日後の木曜日に出港するらしいことがわかった。しかしその日は浦項に戻る日だ。早朝、竹島に行ってそのまま帰ることも可能かもしれないが、かなり厳しい。
翌日の火曜日、港近くの旅行代理店を片っ端から探し回る。しかし、すべてハングルばっかりでどこが旅行会社なのかよくわからない。たまに旅行代理店らしき店に入っても「独島」と言ったとたん「NO」と言われて断わられてしまう。
何軒めかでようやく「今日は風が強いから欠航」だと教えてもらう。この時点で、どこの港から船が出るのかわからなかったので、さらに何軒も回ってようやく港の名を教えてもらう。どうやら島ー番のドドン港ではなく、北に2キロほど行ったジョドン港らしい。
確かに地図を見れば、ここから独島行きのルートが書いてある。
独島行きフェリー乗り場が描かれた地図
そこで、下見がてら、タクシーで現地に向かう。すると、目の前に独島行きのフェリーが! しかも出航時間はもうすぐだ。これはラッキー!
だが、どうにも動きがないので、スタッフに聞くと、やはり今日は強風で欠航らしい。風なんかそんなに吹いてないのだが。
独島行きフェリーターミナル
独島行き高速船seaspovill
今日は欠航なら、次はいつ出航するの? と聞くと、金曜日の13時40分(別のスタッフは12時40分)と言う。このあたり、向こうもこっちも片言の英語なので、イマイチ正確さに欠けるのだ。
でも……窓口の時刻表を見る限り、出航は火木土の午後なのだが。いずれにせよ今日は強風で運休だし、金曜日の船には時間的に乗れない。もはやこれまでか。
独島への出航は、夏だと火木の13時50分、16時50分、土の12時30分、15時30分
その後、島の中心部に戻り、日本家屋を利用した「独島カフェ」に行く。ここで4000ウォンのアイスコーヒーを飲みながら、情報収集。ラッキーなことに、ここには日本語ができる青年がいて、いろいろ詳しい話をしてくれたのだ。
独島カフェ
彼は、2012年の6月に独島に行ったという。6月は暑くも寒くもなく、また梅雨前でもっとも渡航に向いているシーズンだそうだ。
「独島は鬱陵島より力モメが多くて美しい島だよ。でも、日本人は研究者を除いて独島には行けないはず」
うーん、やっぱり日本人は竹島には行けないのかな。
だが、「それでもとりあえずチャレンジしたいんだよねー」などと世間話をしているうちに、独島行きの港がもう一つあることが判明。それが、南に3キロほど行ったサドン港。どの地図にも一切載ってないのだが、こちらは1日に3本も船が出るという。実は、さっき行ったジョドン港は、実際にはあまり使われてないらしい。
そんなわけで、さっそくタクシーでサドン港に行く。
ターミナルはもう閉まっていたが、オフィスで聞くと、片言の英語で「明日は14時40分出発だから、11時に来い」と言う。やったね!! もしかすると乗船できるかも!
サドン港ターミナル
時刻表によると、この港からは2社で毎日4便出ているらしい。14時40分便なら乗れるようだが、念のため、朝一の便からチャレンジすることにする。
出航は7時20分、8時30分、12時50分、14時40分の4便
翌朝6時30分、ターミナルに到着。7時20分便は予約でいっぱいらしく、キャンセル待ちと言われる。先客は3人ほどだが、これは代表者で、実際には10人以上キャンセル待ちがいるようなので、次の8時30分便の窓口の前で待つことにする。
7時20分便のキャンセル待ちはどんどん発券されていくが、どうも8時30分便がないことに気づき、あわててキャンセル待ちの列に並び直す。結局、一番最後の俺だけ乗れなかった(涙)。やはり、韓国語ができないと相当不利だな。
独島行きフェリー(8時30分)
時刻表に書いてある8時30分便と12時50分は欠便で、次は14時40分。しかし、この便も席はなくキャンセル待ちだという。やむなく11時まで待合室で時間を潰す。11時30分にウェイティングリストのトップに入れてもらうことに成功。このとき片言の英語ができるスタッフに「日本人でも行けるのか」と聞くと曖昧な笑顔で返される。どうやらこれまで日本人は何人も行っている様子だ。
12時55分、発券開始。遠足の高校生が大量にいて、待合室が大騒ぎになっている。遠足だから、キャンセル待ちが出る可能性は相当低いはずだ。案の定、キャンセル待ちは出ず、結局、俺は竹島には行けなかったのでした。
独島行きフェリー(14時40分)
どうやら独島観光は大人気で、一週間以上前から予約しないと行けないらしい。キャンセル待ちも、正直、韓国語ができないとかなり厳しい。
独島は鬱陵島から87.4キロ先にあり、船は波が荒いとすぐに欠航してしまうので、シーズンも限定される。少なくとも冬はほとんどの便が欠航する。
ちなみに独島便は、どの会社の船でも島には30分しかいられない。片道100分の船旅で、約4時間の周回ツアーが5万5000ウォン(約5000円)。もちろん島には観光名所などないのだが、この人気は恐るべしだ。やっぱり独島は韓国人のアイデンティティーなんですな。
ターミナルでは、独島で掲げる布を発売中
制作:2013年8月19日
<付記>
共同通信の記事(2010年11月9日)によれば、年間約100人の日本人が韓国側から竹島を訪れているそうですよ。韓国語さえわかれば、警察のチェックは入るものの、問題なく行けるみたいです。
あ、でも、日本人が行けば行くほど、韓国の実効支配が強まるので、おすすめはしませんよ。
<竹島と東海問題>
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韓国が竹島を実効支配するまで
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独島体験館と独島博物館(竹島)
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日韓「竹島問題」はニホンアシカに聞け!
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日本海を東海と呼べ工作