ごめん駅でありがとう!
ごめん駅でごめんなさい
前回、YS-11に乗って高知龍馬空港までやってきた俺ですが、乗り換えの羽田行きはわずか1時間半後。
高知空港から高知市まではけっこう遠いので、市内に行く余裕はありません。
そんなわけで、俺は以前からの憧れスポットだった「ごめん駅」に行くことにしました。
南国市の中心である後免町は、実は350年ほどの歴史を持った古い町です。
地名の由来は、江戸時代、土佐藩の奉行だった野中兼山がこのあたりに商業地を開設するとき、へんぴな場所だったので租税や諸役を免除したことに始まります。
諸役御免の「御免町」が転じて、「後免町」になったそうです。
後免町自体ができたのは17世紀半ばですが、このあたりはもっと古い歴史があります。
奈良時代(741年)、後免町の北、南国市比江に、国分寺が建立されました。同時に土佐国衙(こくが)が置かれ、土佐の中心地となったのでした。
ここに平安時代の930年、紀貫之が第48代土佐守として赴任し、『土佐日記』を書いたのは有名な話。
さらにいえば、戦国時代は長宗我部元親の本拠地でもありました。
そんなわけで、歴史情緒あふれる「ごめん駅」に行ってみた!
こちらごめん駅
さて、この駅にはマスコットがいて、彼の名前は「ごめんえきお君」。
キャラクターデザインは、この町で小学生時代を過ごした漫画家やなせたかしです。「アンパンマン」の生みの親ですな。
えきお君のとなりにはこんな石碑が。
「ごめん駅でごめん」……これだけ石碑から謝られたのは初めてですよ。
で、これだけだったら大して面白くもないのですが、実は後免駅の隣は後免町駅というのです。
これではわかりにくいということで、2004年7月4日、後免町駅に「ありがとう駅」という愛称が付けられました。
後免町駅
この後免町駅のマスコットは「ごめんまちこさん」。赤い帽子がキュートですな。
看板に書かれた詩を転載しておきましょう。
ごめん駅があれば
ありがとう駅もほしい
ごめん駅と
ごめん町駅では
まぎらわしい
ごめん町駅の愛称を
ありがとう駅にすれば
ひびきあう
ふたつの美しい言葉
ごめん ごめん
ありがとう
ありがとう
ありがとう駅
やなせ先生のすばらしい詩です。よく見ればアンパンマン・ベンチ。
そして隣には、ここにも石碑が!
いや〜、土佐くろしお鉄道って、なんとも饒舌ですな!
制作:2006年6月26日
<おまけ>
路面電車も「ごめん」行き
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