天皇の“戸籍”
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天皇の戸籍「皇統譜」
昭和天皇の「皇統譜」
明治23年(1890年)11月29日に施行された「大日本帝国憲法」の第1条は、
《大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス》
となっています。今上天皇は第125代ですから、これまで日本には全部で125人の天皇がいたことになります。そして、その全員が断絶することなく連綿とつながっているーーこれが「万世一系」ということです。
で、そんなのウソだろうという厳しいつっこみが戦後民主主義の成果(?)なわけですが、ウソならウソという根拠はあるのかな? 逆にホントならホントという証拠はあるのかな?
実は天皇家には「戸籍」がありません。そのかわり「皇統譜」というものに系統が記録されています。大正15年の「皇統譜令」(厳密には昭和22年の「皇統譜令」)によれば、「皇統譜」は天皇・皇后用の「大統譜」と、それ以外の皇族用の「皇族譜」からなっています。
たとえば、2001年12月に誕生した愛子さまは、皇族譜にこう書かれています。
内親王 愛子(アイコ)
父 皇太子徳仁親王
母 皇太子徳仁親王妃雅子
平成十三年十二月一日午後二時四十三分東京都千代田区千代田一番二号宮内庁病院ニ於テ誕生ス
平成十三年十二月七日命名ス
この「皇統譜」をたどっていけば、もしかしたら万世一系が証明されると思いません? そこで、宮内庁に行って情報公開請求してきました。
はたして現物は見られるのかな? そう思って聞いてみると、「皇統譜」正本は宮内庁書陵部の金庫奥深くに眠り、閲覧は写真複写したものしかできないそうな。う〜ん残念。というわけで、そのコピーを入手です!
これが初代神武天皇の「皇統譜」だ!
よーく見てみると、中央ちょっと左に
辛酉歳正月朔庚辰即天皇位於橿原宮是年為元年
とありますね。これは「紀元前660年2月11日、
神武天皇
が橿原宮で即位し、これを天皇元年とする」という意味ですな。これが
建国記念日
の起源。
ところで右端に「皇統第一 世系第六」とあります。では、「世系第一」は誰でしょう? 当たり前というか、これは天照大神なんです。
天照大神の「皇統譜」
いちおう、日本書紀から神武天皇と天照大神がつながる文章を書いておきましょう。
《皇軍は内つ国に赴こうとした。しかし山の中はけわしくて行くべき道もなかった。進みも退きもならず、迷っているとき、夜また夢を見た。天照大神が(神武)天皇に教えていわれるのに、「吾は今、八咫烏(やたのからす)を遣わすから、これを案内にせよ」と。
はたして八咫烏が大空から飛び降ってきた。天皇がいわれる。「この鳥のやってくることは、瑞夢(ずいむ)に適っている。偉大なことだなあ。さかんなことだなあ。天照大神がわれわれの仕事を助けようとして下さる」と》(『日本書紀』講談社学術文庫版)
こうした天照大神の手助けの下に神武天皇は東征に成功、国土統一するわけです。おそるべし「皇統譜」!
制作:2003年10月19日
<おまけ>
ヤマトタケルの皇統譜。天皇ではないので、詳細な情報は書かれてません。すがすがしいほど真っ白。