現存する凱旋門



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 現存する日露戦争の凱旋門は2つです。


 1つは静岡県浜松市引佐町渋川のレンガ造り凱旋門、もう1つは鹿児島県姶良(あいら)市山田地区の石造凱旋門。



 静岡県の「凱旋紀念門」は、六所神社の参道に、1906年3月に建てられたレンガ造りのアーチです。高さ約3.6m、幅約3.2m。


 レンガの積み方はフランス式で、柱の上には鋸の歯のような細工がされています。その上には、江戸切り仕上げの笠石が載っています。江戸切り仕上げというのは、石材の縁を欠き取って、中央に突起を出したものです。


 柱脚には旧鎮玉(しずたま)村から出征した68人の名前が刻まれています。2002年に国登録有形文化財に指定されました。



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 鹿児島県の「山田の凱旋門」は、1906年3月、兵士たちの帰還を記念して山田村兵事会が建設したものです。高さ4.7m、幅4.9m。凝灰岩でできており、中央に「凱旋門」、右の支柱に「日露戦役記念」の文字が書かれています。


「凱旋門」の文字は鹿児島出身の大久保利貞陸軍中将の揮毫です。


 門をくぐって急な階段を登ると、砲弾が飾られ、大山巌元帥が書いた慰霊碑などがあります。2001年、国の登録文化財となりました。




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 以上の2つが現存ですが、アーチではなく、柱状の凱旋門は全国に残っています。



●三重県菰野町潤田(県道624号、竹谷川に架かる「凱旋門橋」の東)


「祝凱旋」「陸海軍」などと書かれた高さ4mほどの石柱が2本。石柱の間には、日章旗を先端に結んだ2本の木の棒がX字を描くように立っていました。


 以下、グーグルストリートビューから転載しておきます。



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●熊本県玉名市月田(県道6号)


 道路の両側に六角柱が2本立っていて、高さ約2.5m、灰色の凝灰岩で作られています。柱には「日露役」などと彫られていましたが、後に「露」の文字が削り取られたとされます。1906年完成。



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●熊本県上益城郡御船町古閑迫(県道221号)


 日の丸の旗が2本交差した絵が刻まれた、太い四角の石柱が2本。一方に「日露戦役・紀念」、もう一方に「明治三十九年一月十日設立、上益城郡七瀧村」と彫られています。目の前のバス停は「凱旋門」の名前。


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●福島県いわき市平赤井(県道248号)


 高さ約3m、直径約60cmのヒノキが2本立ち、それをまたぐ鉄製アーチがありました。1905年建造。1970年代の県道拡幅工事で行方がわからなくなっていましたが、門柱2本だけ発見され、2007年に再建。


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 ほかにもあれば、ぜひご教授ください。