ペンタックスカメラ博物館
「ペンタックスカメラ博物館」は、1967年12月8日に設立された日本初のカメラ博物館です。
オープンのきっかけは「明治百年記念」の一環でした。昭和43年(1968年)は明治元年(1868年)からちょうど100年にあたり、国を挙げて様々なイベントが開催されたのです。
有名な例でいうと、埼玉県の森林公園、東京の高尾山や大阪箕面市の「明治の森」などはこのとき作られました。
また博物館でいうと、国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)が代表です。地方でも佐賀県立博物館や山形県立博物館などは「明治100年」イベントとして設立されました。
このとき、ペンタックスの前身である旭光学工業の故・松本三郎元社長が「カメラ文化を記録する」ため、自身のコレクション600点を展示したのが「カメラ博物館」の始まりです。
当初は東京都港区西麻布にオープンしましたが、その後、資料が増えて手狭となり、1993年11月15日、栃木県益子町のペンタックス益子事業所内に移転しました。
収蔵品の総数は文献類を含め8000点以上。カメラ自体は常時1000台近く展示されています。主な収蔵品としては、
・1839年の世界初の市販カメラ
・1860年の湿板カメラ
・1903年(明治36年)の日本初の市販カメラ
・ニコン、キヤノン、ライカなどの1号機
・映画『ローマの休日』に出てきたライター型カメラなど多くのスパイカメラ
……などなど。
しかしながら、この博物館は2009年7月31日に閉館することになりました。その理由は事業の合理化で、博物館が入る益子事業所の閉鎖が決まったためです。
貴重な収蔵品は全国各地の博物館などに引き継がれる予定ですが、現状は何も決まっていません。現実問題としてどの博物館も財政の余裕はなく、コレクションの散逸という最悪の可能性も考えられます。
いずれにせよ、しばらくは貴重な資料が見られなくなるのは間違いないので、展示品のほぼすべてを撮影し、勝手にネット上に再現することにしました。
(撮影は自由だったので、ネットでの再現に関して法的な問題はないと考えます)
なお、再現は展示そのままではなく、項目ごとに勝手に並べ替えているのでご了解ください。
(追記)この博物館の収蔵品は、2010年11月、東京都千代田区の「日本カメラ博物館」に移管されました。