ライカ誕生
カメラといえばライカ。
ライカ(Leica)とは、ドイツのエルンスト・ライツ1世が創業したエルンスト・ライツ光学機器製造会社が自社カメラにつけたブランド名。あまりの人気で多くのコピー商品が作られる。それだけでなく、コニカ、フジカ、ヤシカなど「ライカ」にならった多くのカメラブランドも作られた。
エルンスト・ライツの技術者オスカー・バルナックが、1913年、 35mm映画フィルムを使用する小型カメラ「ウル・ライカ」を試作したことからライカの歴史が始まる。
当時のカメラはガラス乾板を使用する大型のものばかりで、ライカの小ささは一気に人気を集めることになる。
(21)ウル・ライカ(Ur Leica) 1913年
バルナックが設計したライカの原型。3台が製作され、1台はバルナックが自分用に使い、もう1台はエルンスト・ライツ1世が使った。現存は2台だけ。
(22)ライカ0型(復刻版) 1923年
市場調査用として作られた試作機。No.100から130までの31台が製作された。総金属製、革張り。レンズは沈胴式ライツ・アナスチグマット50mmF3.5。
(23)ライカⅠ(A) 1925年
ライプチッヒの見本市に出品され大好評を博す。バルナック型と呼ばれ、1954年にライカM3が発表されるまでこの方が生産された。総金属製、合成ゴム革張り。レンズはエルマー50mmF3.5。
(24)ライカⅠ(C) 1930年
この型からレンズ交換が可能に。35mm広角、135mm望遠レンズの供給が始まった。
(25)ライカII 1932年
ファインダーに初めて連動距離計が組み込まれ、自動でピントが合う画期的なモデル。日本名はライカDII。
(26)コンタックスⅠ 1933年、ツァイス製(ドイツ)
ライカに対抗し、ツァイス・イコン社が総力で作った35mmカメラ。ライカと人気を二分した。写真はスローシャッターが追加されたⅠ型。ちなみに同年に発売されたライカIIIにもスローシャッターがついている。
(27)キネ・エキザクタ1936年、イハゲー製(ドイツ)
ライカやコンタックスの人気にあやかって作った世界初の35mm一眼レフ。ベスト判で好評だったエキザクタのブランドを使用した。
(28)フェト1940年、フェト製(ソ連)
小型機の世界に革命を起こしたライカは、世界中で模倣された。ライカIIIを克明に模写したフェトだが、すべての点で本物に劣っている。
逆に西ドイツのシュタインハイルが1948年に出したカスカⅠのように、極力ライカの模倣を避けたカメラもあった。