特殊カメラの世界
(43)シュティルン・ベストカメラ
1886年、シュティルン製(ドイツ)
カメラを首から吊し、ベストのボタン穴からレンズだけ出して隠し撮りする。ガラス乾板を丸く切って回しながら6枚の円形写真が撮影できる。
(44)ゴーモン・ステレオ・カメラ
1895年頃、ゴーモン製(フランス)
立体視できるステレオ写真の撮影機。当時の代表機。
(45)チッカ
1906年、ホートン製(イギリス)
懐中時計型カメラ。19世紀末にアメリカで作られたエキスポのライセンス生産。17.5mmの専用カセット・フィルムを使用する。
(46)グラフレックス指紋カメラ
1920年、グラフレックス製(アメリカ)
実物大の指紋が撮影可能。ちなみに左は1948年に発売された世界初のラジオつきカメラ(アメリカ製)、右は1923年、世界初の魚眼レンズ付き「ヒル全天カメラ」で、測候所から雲を撮影するの使用した。
(47)ウィリアムソン・ピストル型航空カメラ
1932年、ウィリアムソン製(イギリス)
軍用航空カメラとして開発され、後に市販された。安定がよく、スナップ撮影には十分使えた。
(48)ミニフェックス
1935年、フォトフェックス(ドイツ)
世界最初の精密超小型カメラ。裏紙つきの16mmフィルムを使用。撮影サイズは13×18mm。
(49)コンパス
1937年、コンパス製(スイス)
非常にコンパクトながら、距離計、露出計まで内蔵された精密な超小型カメラ。製造はスイスの時計メーカーであるル・クールトル社。世界的珍品カメラの1つ。
(50)ミクート三色分解カメラ
1937年、ミクート製(ドイツ)
カラー印刷用の写真原板を作るカメラ。補色フィルターで赤・青・黄の各色しか感じないモノクロ乾板を撮影し、これを製版印刷する。
(51)ポラロイド ランド95
1948年、ポラロイド製(アメリカ)
ポラロイドの最初のモデル。撮影してロールを引き出し転写が終わるまで1分かかった。写真の色調はセピア。
(52)シュタイネックA・B・C
1950年、シュタイネック製(ドイツ)
第2次世界大戦中に開発された秘密カメラのなかではA級。花びら状に8枚の画面が撮影可能。撮影サイズは約5mmの円形。
(53)テレカ
1950年、東興写真製(日本)
双眼鏡の上に望遠レンズがついている。望遠は35mm換算で200mmに相当する。
(54)エコーエイト
1951年、鈴木光学製(日本)
オードリー・ヘップバーン主演の映画『ローマの休日』で活躍したカメラ。手ぶれさえしなければ写りはいい。ライターは本当に火がつく。
(55)セプトン・ペン
1954年、岡本光機(日本)
シャープペンシルがカメラに組み込まれている。レンズは固定焦点のF2.8。裏紙つきの16mmフィルムを使用。