行政・学会の認定遺産
行政や学会などが認定した産業遺産には次のようなものがあります。
●経済産業省「近代化産業遺産群」
全国各地に残る建造物、機械、文書などの「近代化産業遺産」を、産業史や地域史のストーリーに重ね合わせ、地域を活性化させるのが目的。そのため、ストーリーは正続で66しかないにもかかわらず、個別の認定遺産は合計で1115個にも上っています。東京駅や三越本店、単なる道路の御堂筋まで含まれていて、ちょっとやり過ぎという感じ。
以下、主なものをあげておくと、
●旧日本煉瓦製造会社ホフマン輪窯6号窯(内部)(埼玉県深谷市)
正4.建造物の近代化に貢献した赤煉瓦生産などの歩みを物語る近代化産業遺産群
●別子銅山 第四通洞跡(愛媛県新居浜市)
正30.地域と様々な関わりを持ちながら我が国の銅生産を支えた瀬戸内の銅山の歩みを物語る近代化産業遺産
●門司港駅(福岡県北九州市)
正31.産炭地域の特性に応じた近代技術の導入など九州・山口の石炭産業発展の歩みを物語る近代化産業遺産群
続09.海峡をつなぎ人々や物資の往来を支え続けた鉄道連絡船の歩みを物語る近代化産業遺産群
●道後温泉本館(愛媛県松山市)
続20.社寺参詣や温泉観光・海水浴に端を発する大衆観光旅行の歩みを物語る近代化産業遺産群
●北海道庁旧本庁舎(北海道札幌市)
続23.北海道に適した建設材料として建造物の近代化に貢献した赤煉瓦製造業発展の歩みを物語る近代化産業遺産群
このほか、三菱大夕張鉄道、北見ハッカ記念館、富岡製糸場、琵琶湖疏水、三井本館、勝鬨橋、帝国ホテル、三池炭鉱なども選ばれています。
●日本機械学会「機械遺産」
歴史に残る機械技術関連の遺産を文化的遺産として次世代に伝えることを目的にしています。たとえば、以下のようなものです。
●第23号「旧筑後川橋梁」(筑後川昇開橋)
1935(昭和10)年に開通した旧国鉄佐賀線(佐賀〜瀬高問・24.1km)の鉄橋。全長507.2mで、現存する国内最古の昇開式鉄橋
●第47号 豊田式汽力織機
豊田佐吉が1897(明治30)年に発明した綿布用小幅動力織機。巻き取り装置などを自動化して、品質向上と従来の手織り機の20倍の生産性を実現
※なお、所蔵先のトヨタテクノミュージアム(産業技術記念館)では、1896年の発明とされています
●国立科学博物館「重要科学技術史資料」
愛称・未来技術遺産。次世代に継承する意義のある工業製品が主な登録品。そのため、各企業の博物館の所蔵品がほとんどです。
●第00010号 国産大型船舶用ディーゼル実験機関
三菱造船長崎造船所が実験用に製作したもの(船の科学館に保存されていました)
●文化庁「近代化遺産」
●新潟萬代橋
●土木学会推奨「土木遺産」
●猿島要塞(神奈川県横須賀市)