東京タワー「近代科学館」
東洋レーヨンショールーム(3階)=最新ファッションや各種繊維を展示
1958年12月23日にオープンした東京タワーは、電波塔としてはもちろん、展望台を付随させて社会科教育の役割も果たすよう期待されていました。
そのため、タワーの下にあるビルには、開業当時、3階4階に「生活と科学を結ぶショールーム」として「近代科学館」が設置されました。そして、5階には各テレビ局の送信所があり、ここも見学可能となっていました。
タワーを訪れた人はほぼ全員が見学に訪れる場所でしたが、1970年に蝋人形館が3階にオープンするなど、徐々に侵食され、いつの間にか消滅してしまいました(完全消滅年は不明)。
そこで、当時発売されていた宣伝冊子「月刊東京タワー」より、在りし日の「近代科学館」を再現しておきます。
日立ショールームには、新幹線の模型が展示されるなど、それなりに目を引く展示がされていたようです。
【3階】電気器械工業館
《出展社は家庭電気製品、工業製品および一般文化製品、 その他、実生活に直結した各種工業の最新技術と製品を陳列して おります。ただ単に製品を陳列するだけでなく、各製品の断面図式模型など近代科学館の名にふさわしく、ご来館のみなさ まに 「科学する心」を養っていただくようにしてあります。
三洋電機ではステレオ立体演奏室を設備し、実験のステレオ演奏を行なっています。
また、三菱重工には自動車、航空機、船舶、農耕機などの実物や模型が展示されています。
日立家庭電器では各種冷蔵庫、ポンプ、 便利 電動工具、日曜大工など自由に試すことができます》
松下電器ショールーム=テレビ電話やステレオ演奏を展示
日本ビクターショールーム=テレビ、ステレオ、ラジオなど
三菱重工ショールーム=自動車や航空機、船舶の模型など
大同製鋼ショールーム=特殊鋼の製造図解
【4階】電気通信放送館
《ここには電気通信放送関係のメーカーがエレクトロニクス(電子工業)などの最新技術と製品を展示しています。
日本電気には高度の正確さで作られた放送所装置模型や演奏所の装置模型があり、東京電力には水力発電装置の大模型をはじめいろいろな模型があります。
また、東芝電気が出品している宇宙時代に突入した月世界パノラマでは、空間ステーションを中心にムーンシップ、空間タ シーが飛びかい、月世界キャンプでの天体測候の方法を模型化してあります。
そのほか、未来の都市の模型や3750品種の電機器製品を東京市街に配置した模型もあります》
富士通信機ショールーム=電話交換機や電話の展示
東京電力サービスセンター=東京湾の火力発電所模型
古河電工ショールーム=東京タワーの先端にあるアンテナの実物大模型
【5階】放送通信館
《ここには各放送局の送信機室があります。4階には、フジテレビのタワースタジオがあります。このスタジオからは土・日曜をのぞいて毎日午後2時から人気番組「タワーバラエティ」が行なわれています。一般の来塔者もこの放送風景を見学できます》
フジテレビタワースタジオ(4階)
東京タワーの機能図