車軸配置

蒸気機関車steamlocomotive
2C1形テンダー機関車8900

 

蒸気機関車において、動輪と、動輪ではない車輪の配置を「車軸配置」と呼びます。

国によって名称は異なりますが、ここではヨーロッパ方式をまねた日本の「鉄道省式」と、世界で最も標準的な「ホワイト式」、個別の名称を与える「アメリカ式」を紹介しておきます。

まず、車輪の構造は

 

(前)__先輪__動輪__従輪___(後)

 

です。当然、1本の車軸には車輪が2つついています。
鉄道省では車軸の数で名称を決めていきました。
車軸が1つ(車輪2つ)だとA、2つだとB、3つだとC、4つだとD、5つだとEです。

蒸気機関車の最も簡単な形式は、普通の4WD自動車と同じ四輪駆動となります。車軸が2つで動輪が4つなので、この形式は鉄道省では「B」となります。

一方、ホワイト式は車輪の数で示します。先輪と従輪がなく、動輪が4つなので、これは
0-4-0
となります。

これをアメリカでは、
フォー・カップルド・ホイール・スイッチャー(Four-Coupled Wheel-Switcher、Four-Wheel-Switcher)

と呼びます。もしこれが0−10−0(鉄道省だとE)だと、テン・カップルド・ホイール・スイッチャーですね。

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続いて、上の図のような、4輪駆動で従輪が2つついた場合。鉄道省は車軸の数で表記するので、
B1
となります(後ろの炭水車は関係なし)。

ホワイト式は0-4-2
アメリカではフォー・カップルド・アンド・トレーリングトラック(Four-Coupled and Trailing Truck)。

続いて、
先輪1軸、動輪2軸、従輪1軸の場合、鉄道省では「1B1」、ホワイト式では「2-4-2」、アメリ式では「コロンビア」となります。

このパターンはいくらでも増えていくのですが、以下、

1C1 (2-6-2)はプレーリー(Prairie)
1D1(2-8-2)はミカド(Mikado)
1E1(2-10-2)はサンタ・フェ(Santa Fe)と呼ばれました。

なぜ「ミカド」かというと、アメリカの鉄道車両メーカー「ボールドウィン」がこの軸配置で最初に製造した機関車が日本向け(9700形)だったからです。

ちなみに、冒頭の写真は形式8900機関車ですが、全部で12輪あり、前4輪、後ろ2輪、中央6輪が動輪となっているので、4-6-2(2C1)となります。 

海外では、車輪の数がどんどん増えていき、

1E2(2-10-4)=テキサス
2F1(4-12-2)=ユニオンパシフィック

などが登場します。ちなみも。ウィキペディアによれば、最大の機関車は

2D11D2(4-8-2+2-8-4)

で、これは「ダブルマウンテン」と呼ばれるそうです。

なお、車軸配置をイラストで描くと

動輪をO、先輪・従輪をoで示すので、

0-4-0は OO
2-8-2は oOOOOo
4-8-2+2-8-4は ooOOOOo oOOOOoo となります。

 

最後に『写真解説機関車の進歩の跡』より、一覧表をあげておきます。

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