ぬいもよう

〔縫模様〕刺繍(ししゅう)してある模様。
ヌータ
ぼんやり。間抜け。抜け作。
ぬかぶくろ
〔糠袋〕昔の化粧品の一つに、鶯の糞と共に糠があった。その糠を入れる小さな布の袋で、その袋のまま湯へ浸して使用した。茶番(滑稽かけあい)の俗歌に「そのこと(布子と)あわせにひとえ物、じゅばんの古いの糠袋」。
「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」の横櫛お富が源氏店の妾宅の裏手へ下女をしたがえて湯屋から帰ってくる、その口にくわえられているすてがたい風情ではある。
ぬき
柳川(やながわ)鍋。どじょうの骨をぬいてあるから。天ぷらそばなどの、そばをやめたのもいう。
「天(てん)か玉子の抜きで呑むのも、しみったれなはなしだから、」(河竹黙阿弥「天衣紛上野初花(くもにまごううえののはつはな)河内山と直侍」入谷村蕎麦屋の場)
ぬくぬくと
ぬけぬけと。平気で。
ぬけあし
〔抜け足〕抜き足。そっと音を忍ばせて歩いて来ること。
ぬけさく
〔抜作〕バカな人。
ぬけまいり
〔抜け参り〕父母、主人の許可を得ずして家を抜け出し、伊勢大神宮へ詣でること。古川柳に「御用の書置いろはでおいせ様」といわせている。
「抜詣りからぐれだして、旅をかせぎに西国へ、廻って首尾も吉野山。」(河竹黙阿弥「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)ーー白浪五人男」稲瀬川勢揃の場)
ぬのこ
〔布子〕木綿の綿入。
ぬらくらもの
なまけ者。のらくら者。
ぬれぼとけ
〔濡れ仏〕お堂の外に雨露のぬれるのにまかせ、露出してある仏像。