りあい

〔理合〕理屈。道理。
りかい
〔理解〕わけ。理由。京阪地方の大津絵の一節に「髪(たぶさ)持つ手に取りすがり、打たずと理解をいわしゃんせ」。
りかた
〔利方〕徳。利益。
りきゅうがたのくし
〔利休形の櫛〕茶道の名人千利休ごのみの櫛。長方形の小さい櫛で、歯が浅く、鼈甲(べっこう)でできている。大きくても3寸ぐらい、小さいのは2寸ぐらいの長さ。
りはつ
〔利発〕悧巧。りはつもの。
りゃんこ
〔双刀〕大小を差すもの。2本差の人。武家。「りゃん」は唐音(とういん、唐の国のよみよう)で両(2つ)のこと。
りゅうえん
溜飲(りゅういん)のなまり。
りょう
〔寮〕別荘、寺院の寄宿所(今日の会社の寮は後者の意味に近い)。
 河竹黙阿弥「天衣紛上野初花(くもにまごううえののはつはな)ーー河内山と直侍」の御家人片岡直次郎が空脛(からすね)に頬ツ冠りで冴(さ)え返る寒さの雪中を入谷田圃の畦道伝(あぜみちづた)いに忍んでいく先が、(注・花魁の)三千歳の出養生(でようじょう)している大口寮(大口楼という妓楼の別荘)である。
りょうがえや
〔両替屋〕甲の貨幣と乙の貨幣を取り替え、また有価証券と金と交換する店。
りょうがけ
〔両掛〕挟箱(はさみばこ)または小つづらに、衣服その他を入れて棒の両端に掛け、かついで歩く旅行用の行李(こうり)をいう。
りょうごしだっす
〔両腰脱す〕明治9年の廃刀令以後、武士が大小刀をすてたこと。
りょうしばこ
〔料紙箱〕書簡箋(今日ならまだつかわない手紙やハガキや切手)などを入れておく箱。
りょう○○ぶ
〔○○両○○分〕金額を数えるとき以外にこういういい方をするのは金の貸借りのときである。「51分で貸そう」といえば「5両につき1分の利息という約束で貸そう」という意味。
りょうまどをおろす
〔両窓を下す〕昔の劇場は照明が不完全ゆえ、夜の場面など場内両側の窓をしめて舞台を暗くした、それをいう。
りんご
〔林檎〕江戸時代の林檎は慶応44月渡来の記事があり、明治59月には成島柳北が洋種の林檎を試食した日誌があるが、和産の林檎はないとされている。しかし直輸入品以外は、その果(み)小さく、味も単純、今日の林檎とは余程異る素朴な味のを日本林檎と呼んでいた。栽培の技術が低調で、西洋種ながら別個にちかいものが生産されていたのであろう。
 山本笑月「明治世相百話」にも30年代の水菓子屋風景をかいた中に、林檎はない。一般化したのは、明治末年以後としていい。



るすいやく
〔留守居役〕大名の参勤交替で国へかえっている間、江戸の屋敷を守り、幕府の公用をたす武士。


れいぎさんびゃくいぎさんぜん
〔礼儀三百威儀三千〕形だけをおそわっておぼえる礼儀は300のねうちしかないが、自分からそなわる威儀は3000の尊さがあるというたとえ。
れいさま
〔令様〕県令さまの略。県令は県知事で、それを略しながらうやまってよんだ。
れいじょうもん
〔礼証文〕永々の礼をかいた書き付け。
れつうち
〔○列打ち〕○列にならんで鉄砲をうつこと。
れん
〔聯〕柱または壁などの左右に、相対してかける細長い書画の板。また、芝居見立(みたて)など、手拭とか扇とかかりそめな小道具をあしらって巧みにその狂言を象徴するしゃれた遊びの細長い板をもいう。
れんがながや
〔煉瓦長屋〕煉瓦造りの長屋。
れんじまど
〔櫺子窓〕櫺子(タテまたは横に一定の間をおいて取り付けた木)のはまっている窓。
れんじゃく
〔連尺〕二たきれの板に縄をつないで背につけ、物をおうときにつかう道具。この形から赤ん坊を連尺におんぶして、という。